ちょこっと紹介2005年


メンバー 2005年の記
川本 達也さん 写真のフィルムに蝶を描いた連続性、あるいはその断片で構成された平面性の強い作品。そこには時間の意識があり、平面的背景も能楽的幽玄な世界観、宇宙観がのぞき、具体的にはアンモナイトなど古代の化石が配せられることもあるが、新たなクォ・ディオス、シリーズではガラスの破片が飛び散る。
陣内  敦さん 佐賀大の卒展に日常の心象を重ね会わせた500号の大作を発表していた。
その後いろんな変遷の末、ハードエッジ(不定形なエッジの強いキャンバス)
に色彩を散りばめていたが、このところは矩形のキャンバスに落ち着いている。自然の推移の中での啓示をツールではなく身体を使って塗りこんでいる。
塚本猪一郎さん 学生のときミシンを踏む母親を描いて美協賞に選ばれていた。その後スペインに渡り、帰ってきたときには完全に焼土化した強い原色を駆使した骨太な抽象表現に変わっていた。いかに形、色彩を自由に飛び立たせようとするおおらかさにピカソを見るおもいがある。またタブローで生み出した形を現実に取り出しオブジェにもしている。
中尾 和紀さん 当初、楽師やゴトンゴトンと列車にくつろぐ人を描いてた。「ゴトンゴトン」は青年美術展で大賞を取った。躍動する色の疾走は今も変わらぬ。移動する身体にかかる風圧や感触を現実社会の事件として捉えているようである。自ずと既成のキャンバスから放れ段ボール、ゴム、ビニール、フィルムとタブローの素材も変化する。
西村 雅光さん 若いころの初期の作品は母像、街の風景であった。太陽ではない夜に咲く月が好きな人である。曇りのない満月の在り方。虚飾、過色を抑えたピュアな最小表現が基本的心情。言わばミニマルアートである。ギャラリー経営の傍らコンセプトはじっくり練られパフォーマーとしての一面もあ。
真子 達夫さん パイプ、注射器を図案化したカラフルなポップ調の作品で日展系が強いご当地では先端の都会的な作品で画学生には魅力な憧れであった。しかし今はがらりとかわって鈍い色彩で己を責め、納得するまでとことん描くという絵画の鉄人。そして環境破壊へと問題意識は移行する。永遠の芸術家。
  
宮崎大治郎さん デビューは生まれ育った氏の「牛小屋」であり、直後、23歳のとき、線刻とグレーの面を集積構築さした「思念」で西日本美術展大賞受賞。以後あらゆる素材を使うようになるが、一貫しているのは腕を振るような「線」ライン。線は集積されても面ではなく線である。美しくも吸いこまれるような空間が現出する。
武藤 三男さん ご当地で唯一のプロの彫刻(塑像)家。若くして花開き、佐賀駅前の「面浮立」
をはじめいろんな広場に氏のブロンズ像は飾られている。傍ら陶芸にもいそしみ、陶芸工房を大和町に建設。陶像を作り始めるが、再び本来の塑像に戻てきたようで、樹脂で仕上げたレリーフなど室内展示可能なものを模索しているよう。
山田 直行さん 学生のころより写実的シュールな心象風景で頭角を現す。赤、黒、緑を主体
にした激しい心象の時代が続き、シルクロードに心象を重ねたりもするが、
最近ではふる里・千代田、筑後川の葦、テナガエビらを色彩を押さえ内省的に
捉えているよう。本来の心象をふる里の中に見ようとするのかも知れない。
佐賀のふるさとスケッチにも精を出している。
若林 夏生さん
2007年
しばらく休会されていたが、2007年より再参加。
万年青年とも呼ばれ、何ごとにも少年のような純粋さで向かわれる。
グリーンの時代も長かったが、今回、ブルーに変貌、ピュアな若林ブルーが遠い日へ旅立つ。
服部大次郎 このところ油彩より水彩がほとんど。野外がアトリエ。


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